「VTuberになりたいけどLive2Dと3D、どっちを勉強すればいいの?」「モデラーとして就職したいけど、Live2Dモデラーと3Dモデラーって何が違うの?」——こういった相談を受けることがよくあります。
ネット上には「VTuberとしてどちらのモデルを使うべきか」という比較記事はたくさんありますが、「クリエイターとしてどちらのスキルを学ぶべきか」という視点で書かれた記事は驚くほど少ないんです。私自身、本業では自動車の3DCGデザイナーとして働きながら、副業でLive2Dモデルの受注制作も経験してきました。その両方の現場を知る立場から、仕組みの違い・学習コスト・キャリアの3つの軸で解説していきます。
そもそもLive2Dと3DCGは何が違うのか
「動かす」仕組みの違い
Live2Dは、1枚の2Dイラストをパーツごとに分解し、変形させることで動きをつける技術です。イラストそのものが動くため、アニメや漫画のような絵柄の質感をそのまま保てるのが最大の特徴です。
具体的には、イラストを目・眉・口・髪・輪郭などのパーツに分解し、それぞれに「アートメッシュ」という格子状の変形領域を割り当てます。このメッシュを「デフォーマ」という仕組みで動かすことで、平面のイラストでも自然な立体感のある動きを再現できます。絵そのものは変わらないため、イラストの魅力をそのまま活かせるのがLive2Dならではの強みです。
一方の3DCGは、立体的なポリゴンでキャラクターを一から構築し、ボーン(骨組み)を仕込んで動かす技術です。あらゆる角度から見ることができ、全身を自由に動かせる代わりに、制作工程そのものが大きく異なります。
3DCGでは、まず頂点とポリゴン(面)で立体的な形状を作る「モデリング」から始まり、色や質感を貼り付ける「テクスチャリング」、動かすための骨組みを設定する「リギング」、実際に動きを作る「アニメーション」という工程を順に進めます。イラストという土台がない分、ゼロから立体を組み立てる力が求められます。
制作フローの違い
Live2Dの制作フローは「イラスト制作→パーツ分け→Live2D Cubismでのモデリング(アートメッシュ・デフォーマ設定)→書き出し」という流れで、関わる職種も基本的にイラストレーターとLive2Dモデラーの2職種で完結することが多いです。
3DCGは「モデリング→UV展開・テクスチャ→リギング→アニメーション→レンダリング」という工程を経るため、案件規模によってはモデラー・リガー・アニメーター・エンジニアなど複数職種が分業することも珍しくありません。
個人で全工程をこなすことも可能ですが、企業案件になるほど分業体制が組まれる傾向があります。私自身の本業である自動車CGの現場でも、モデリング担当とレンダリング・ライティング担当が分かれていることが多く、1人で完結しづらい工程の多さこそが3DCGらしさだと感じています。


私も最初は「どちらも絵を動かす技術」というくらいの認識だったんですが、実際にやってみると制作の考え方自体が全く違うことに驚きましたよ!でも、その違いを知っておくと選びやすくなりますので、一緒に見ていきましょう!
用途別の向き不向き
VTuber・配信活動
雑談・ゲーム実況が中心の配信活動であれば、Live2Dの方が導入コストと運用の手軽さで優れています。Webカメラ1台でトラッキングを始められ、表情の細やかな変化を出しやすいため、個人VTuberの多くがLive2Dからスタートします。
実際、にじさんじやホロライブの初期メンバーも多くがLive2Dモデルで活動をスタートしており、企業勢・個人勢を問わず「まずはLive2Dで」という流れが定着しています。PCへの負荷も比較的軽いため、配信ソフトと同時に動かしても動作が安定しやすい点も、配信メインの活動には向いています。
ダンスや3Dライブなど、全身を使ったパフォーマンスを重視するなら3DCGモデルが必要になります。ただし制作費・PCスペック要件ともにLive2Dより高くなる点は覚えておきましょう。フルトラッキング機材やモーションキャプチャーを併用する場合は、さらに投資が必要になります。
Live2Dモデルの依頼先を検討している方は、ココナラ vs Nizima:Live2Dモデル販売するならどっち?で依頼先の特徴を比較しています。


ゲーム・アプリ
ゲーム・アプリの分野では、待機モーションなどの2D表現にLive2Dが使われることもありますが、キャラクターを立体的に動かす必要があるタイトルでは3DCGが主流です。ゲーム業界の3Dモデラー求人は今も安定した需要があります。
特にスマホゲームのキャラクター待機画面やギャラリー機能では、コストを抑えられるLive2Dが選ばれることも多く、Live2D単体でも実務としての需要があります。一方、フィールドを移動する・戦闘するといったゲームプレイの中核部分は、基本的に3DCGモデルが担うことになります。
映像・アニメーション
映像・アニメーション分野では、作品の絵柄をそのまま活かしたいショート動画やPVでLive2Dが使われるケースもありますが、カメラワークの自由度が求められる本格的な映像制作では3DCGが選ばれることが多いです。
私が本業で関わっている自動車業界のCG映像制作もこちらに近く、視点を自由に動かしながら質感やライティングまで作り込む必要があるため、3DCGの知識が土台として求められます。
学習コスト・必要ツール・費用の比較
学習にかかる期間の目安
Live2Dは、イラストを描くスキルがすでにある人であれば、Cubismの基本操作は数週間〜1ヶ月程度で一通り覚えられます。一方3DCGは、モデリング・UV展開・テクスチャ・リギングと工程が多いため、実務レベルまで到達するには半年〜1年以上を見ておく必要があります。
これは「難易度」というより「工程の数」の差だと私は捉えています。Live2Dはイラストという完成形に近い土台から動きを作る作業なので、覚える範囲が比較的限定されています。3DCGは形状・質感・骨組み・動きと、ゼロから積み上げる要素が多いため、単純に習得までの距離が長くなるんです。
必要なソフト・機材とその費用
Live2D Cubismは無料版もありますが、商用利用には有料ライセンス(年間契約制)が必要です。PCスペックの要求もそれほど高くなく、比較的ミドルスペックのPCでも十分に作業できます。
3DCGはMaya・Blenderなどのソフトに加え、Substance PainterなどのテクスチャツールやZBrushなどのスカルプトツールが必要になることが多く、PCもグラフィックボードを搭載したそれなりのスペックが求められます。
3DCG側の代表的なソフトの違いは、現役クリエーターが徹底比較!MAYA vs Blenderで詳しく解説しています。


独学のしやすさ
Live2Dは公式チュートリアルや書籍が充実しており、イラストの経験があれば独学でもかなりのところまで進められます。3DCGは情報量自体は多いものの、工程が複雑で、独学だと遠回りしやすいという声もよく聞きます。
私自身、3DCGを独学し始めた頃は、モデリングの基礎だけで数ヶ月かかり、リギングでつまずいて何度も挫折しかけました。一方でLive2Dは、イラストという得意分野が既にあった分、Cubismの操作を覚える段階でのハードルはそれほど高く感じませんでした。この「土台となるスキルの有無」が、独学の進めやすさに直結する部分だと思います。
Live2Dモデル制作の費用相場について詳しく知りたい方は、Live2Dモデル制作の単価相場と受注価格の上げ方もあわせてご覧ください。







学習コストだけで見るとLive2Dの方が始めやすいですが、だからといって3DCGが不利というわけではないんです!かけた時間に対して得られるスキルの幅広さは、3DCGならではの強みですよ!
キャリア観点:求人数・単価・将来性
求人の傾向
3Dモデラーの求人は、ゲーム業界・映像業界・自動車業界(私自身の本業もこちらです)など業界の幅が広いのが特徴です。Live2Dモデラーの求人は、VTuber関連の企業やプロダクションに限られる傾向があり、フリーランス・受注制作としての活動がメインになりやすいです。
正社員としての「Live2Dモデラー」求人自体は、3Dモデラーに比べるとまだ少なく、VTuberプロダクションやゲーム会社の一部部署に限られるのが現状です。そのため、Live2Dを本業としたい場合は、フリーランスとして受注制作の実績を積んでいく形が主流になっています。3Dモデラーは正社員雇用の求人自体が多く、キャリアの選択肢が広い点は大きな違いです。
単価感の違い
個人での受注制作という観点では、Live2Dモデル1体あたりの単価は3万円〜30万円程度が相場です。3DCGモデルの受注制作も同様に幅がありますが、企業案件になると単価の規模が大きくなりやすく、正社員としての雇用機会も多い分、年収レンジも広がります。
もちろんLive2Dでも、高実績のモデラーであれば1体50万円を超える案件を受けることもありますし、複数案件を並行して受注することで収入を積み上げていくことも可能です。単価だけで優劣をつけるのではなく、「フリーランス中心か、正社員雇用も含めて考えるか」という働き方の違いとして捉えるのが実態に近いです。
3DCGクリエイターの年収について詳しくは、3DCGクリエイターの年収はいくら?で職種別・経験別に解説しています。


将来性をどう見るか
Live2DはVTuber文化とともに需要が拡大してきた分野で、個人の受注制作という働き方が根付いています。3DCGはゲーム・映像・自動車・建築など応用先が非常に広く、AI技術の進化とともに求められるスキルセットも変化していますが、業界そのものの規模は大きく安定しています。どちらも「なくなる」心配より、「求められるスキルの中身が変わっていく」と捉えるのが実態に近いです。
個人的には、Live2Dは「VTuber文化がどれだけ広がり続けるか」に将来性が紐づいている一方、3DCGは応用先の業界が多い分、VTuber文化そのものの盛り上がりに左右されにくいという違いがあると感じています。どちらが優れているという話ではなく、自分がどの業界とつながりたいかで見え方が変わってくるはずです。


現役クリエイターが両方やって感じたリアルな違い
求められる能力の違い
Live2Dは、動きの設定技術以前にイラスト自体の完成度が結果を大きく左右します。一方3DCGは、絵の上手さよりも立体構造・空間把握力が問われる場面が多いというのが、両方をやってみた私の実感です。デッサン力ゼロでも3DCGはある程度戦えますが、Live2Dはイラストが土台にある分、絵の完成度からは逃げられません。
もう少し具体的に言うと、3DCGでは「この角度から見たときに面がどう繋がっているか」「光がどう当たって陰影が生まれるか」といった、物を立体的に捉える観察力が土台になります。逆にLive2Dでは、パーツを分ける際の判断や、表情の変化を魅力的に見せるための絵の構成力が問われる場面が多く、こちらは2Dの画力・デザイン力がそのまま結果に直結します。
両方できると何が強みになるか
両方の技術を持っていると、依頼者に対して「2Dのままがいいか、3D化した方がいいか」を客観的な立場から提案できるようになります。また、案件が少ない時期にもう一方の分野で仕事を受けられるという、収入の分散というメリットも実感しています。
さらに、3DCGで学ぶライティングや質感表現の考え方は、Live2Dの配色や陰影表現にもそのまま活かせますし、逆にLive2Dで培ったキャラクターの魅力を伝える構図感覚は、3DCGのポートフォリオ制作にも役立ちます。片方の分野で得た視点が、もう片方の質を上げるという相互作用があるのも、両方を経験して初めて気づいたことでした。



「絵が描けないから3DCGは無理」と思っている方も多いんですが、実はその逆の人にこそ3DCGは向いていることも多いんですよ!自分がどちらに近いか、ぜひ考えてみてくださいね!
どちらを選ぶべきか(タイプ別の結論)
こんな人はLive2Dから
- イラストを描くのが得意・好きな人
- できるだけ早く配信活動を始めたい人
- 個人での受注制作をメインに考えている人
こんな人は3DCGから
- 立体的なものづくりに興味がある人
- ゲーム・映像業界での就職を目指している人
- 絵を描くのは苦手だが、じっくり作り込む作業が好きな人


Live2Dから始めることに決めた方は、VTuber向けLive2Dモデル依頼の流れ完全ガイドで依頼から納品までの流れを確認しておきましょう。


独学に限界を感じたら、プロから学ぶ選択肢を
Live2Dも3DCGも、「使える」と「仕事にできる」の差がとても大きい分野です。
現場のお作法、ポートフォリオの作り方、業界とのつながりまで含めて学べるのが
デジハリ・オンラインスクールの強みです。


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まとめ
Live2Dと3DCGは、同じ「キャラクターを動かす」技術でありながら、仕組み・学習コスト・キャリアの広がり方が大きく異なります。イラストが得意で早く配信活動を始めたいならLive2D、立体的なものづくりに興味があり幅広い業界を見据えたいなら3DCG、という軸で考えると選びやすくなるはずです。
どちらを選んでも、極める過程で得られるスキルは決して無駄になりません。まずは自分がどちらのタイプに近いか、今回の記事を参考に考えてみてください。
迷った場合は、両方に少しだけ触れてみるのもおすすめです。Live2Dは無料版のCubismで、3DCGはBlenderという無料ソフトで、それぞれ触り心地を確かめることができます。実際に手を動かしてみると、「思ったより楽しい」「これは向いていないかも」といった手触りの違いが見えてくるはずです。



どちらの道を選んでも、私はいつでも応援していますよ!まずは気になる方から、一歩踏み出してみましょう!


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