私自身、普段は3DCG制作でFBX形式を使ってデータのやり取りをすることが多いのですが、最近ではGLB形式というフォーマットを耳にするようになりました。さらに、昔からよく使われているOBJ形式や、各ソフト独自の形式(Mayaの.mbやBlenderの.blendなど)も存在します。3DCG初心者の方にとっては「どの形式を使えばいいの?」と迷うことが多いと思います。そこで今回は、代表的な3Dデータ形式の特徴や用途、そしてソフトごとの形式との違いをまとめました。
この記事のレベル
| 初心者 | (5.0) |
| 重要度 | (4.5) |
| 難しさ | (2.0) |

CAD用のデータについて知っていて損はないのですが、今回それもまとめると情報量が多くなり混乱することを避けるため、まずは3DCGソフトを使う上でよく使うものをこの記事と実際に使ってみて覚えてみる所から始めましょう!
3Dデータのファイル形式が異なる理由
画像での.jpegや.pngの形式や動画での.mp4や.aviの違いのように、3Dファイルにも保存する際に複数の形式が存在します。また、形式の違いにより保持できるデータ内容や依存する3Dソフトウェアが異なります。



特にファイル形式によって保持できる内容が大きく異なってくる点を、初心者は抑えておきましょう!
代表的な3Dデータ形式
FBX(Filmbox)


特徴: Autodeskが開発したフォーマットで、現在3DCG業界で最も広く使われている形式のひとつです。モデル形状やUV、マテリアル、テクスチャ、アニメーション、スケルトン(リギング)、カメラ、ライトなど非常に多くの情報を保持できるため、Maya・3dsMax・Blender・Cinema4D・Unity・Unreal Engineといったほぼすべての主要ソフトで対応されています。
このように複雑なシーンデータを他ソフト間で正確にやり取りできる点が最大の強みですが、その反面、バージョン差異による互換性問題がまれに起こることや、ファイルサイズが比較的大きめになる点には注意が必要です。総合すると、ゲーム・映像制作・VR/ARの現場で標準的に使用されている形式と言えます。
モデルやアニメーションなどの情報をもつfbx形式と、必要に応じてテクスチャファイルを使用します。
OBJとは違いリグやモーションのデータを格納することができ、多くの製品・サービスで対応されています。



最初はとりあえず困ったらFBXで書き出し!というくらいに汎用性が高いデータ形式です。ただシンプルな構造のものや、特定の条件で使用するなどの目的がある場合は後述するデータ形式を選んでみましょう!
FBXの具体的な書き出し設定やエラー対策については、Maya FBX書き出しの完全ガイド|エラー回避&最適設定でさらに詳しく解説しています。


OBJ(Wavefront Object)


特徴: 1980年代に開発された古典的な形式で、今でも幅広く利用されています。メッシュ形状やUV座標、マテリアル情報(別ファイルMTLと併用)を保存でき、モデル単体の受け渡しやDCCツール間のデータ交換、3Dプリントの前段階データなどに使われます。
構造がシンプルで読み込みやすく、ほぼすべての3DCGソフトに対応しているのが大きなメリットですが、アニメーション・ライト・カメラ・複雑なマテリアルは保持できず、最新のPBRマテリアルにも非対応という弱点があります。「軽量な交換用フォーマット」として依然便利ですが、表現力はFBXやGLBに劣るというのが現状の立ち位置です。
頂点座標などのモデルの形状を記したファイルなります。また表面状態の情報をもつmtlファイルを含めることができます。他の形式に比べシンプルで軽いのが特徴で、多くの製品・サービスで対応されています。



基本的にモデリングしたオブジェクトのみを書き出したい場合につかうデータ形式です!テクスチャやアニメーションなど一緒に書き出すことは出来ないのでその点は要注意です
GLB


特徴: Khronos Groupが策定した新世代の形式で、「3DのJPEG」と呼ばれるほど軽量で効率的です。モデル、マテリアル(PBR対応)、テクスチャ、アニメーション、スキン、カメラなどを保存でき、WebGL・Three.js・Babylon.js・AR/VRアプリケーション・モバイル向けコンテンツなど、リアルタイム表示用途で急速に普及しています。
ファイルサイズが小さく読み込みが高速で、Webブラウザやアプリで直接利用できる点、PBRマテリアルに標準対応している点が強みです。一方で、従来のDCCツールで扱うには変換が必要な場合があり、シーン全体の複雑な情報管理にはやや不向きという側面もあります。特にWebやAR/VR、モバイル分野で急速に利用が広がっている形式です。



最近では3Dの生成AIなどはこの形式で書き出されるものが多いらしいです
glTF(GL Transmission Format)


特徴: GLBと同じくKhronos Groupが策定していますが、GLBがバイナリ形式であるのに対し、glTFはテキストベースで外部ファイルを参照する形式です。モデル、PBRマテリアル、テクスチャ、アニメーションを保存でき、WebGLや3Dビューアでの表示など、GLBと同じ用途で使われます。
人間が読めるJSON形式でデバッグや修正がしやすい点が大きなメリットですが、GLBに比べてファイルが複数に分かれてしまうため扱いにくい場合があります。GLBと並んで、Web標準の3D形式として広がりを見せている立ち位置です。
glTFはWebブラウザ上で動作することを目的としたデータ形式です。イメージとしては、Webブラウザ上でよく使用される画像形式であるjpegの3D版といったところで、さまざまなWebサービスで対応しています。
STL(Stereolithography)


特徴: 主に3Dプリントで使用される形式で、メッシュ形状のみを保存します。3Dプリントや製造業の現場で使われ、シンプルで3Dプリンター互換性が高いのが利点ですが、テクスチャやアニメーションは一切保存できません。



今回CADに関するデータは省くといったのですが、このデータは3Dプリンタを使うときに使うデータ形式で今後3Dプリンタで自分の作ったモデルを出したいといった場合もあるかもしれないので今回この記事に入れました!
USDZ(Universal Scene Description Zip)


特徴: Appleが推進している拡張現実(AR)向けの形式で、Pixarが開発したUSDフォーマットをベースにZip圧縮したものです。モデル、マテリアル、アニメーション、物理情報を保存でき、iOSやmacOSのAR Quick Lookで直接表示できるため、ARコンテンツに最適です。
iPhoneやiPad上で追加アプリなしで閲覧できる手軽さが魅力ですが、Appleエコシステム以外ではやや扱いにくいという側面もあります。Apple製デバイスを中心に、AR体験を簡単に提供する標準的形式という立ち位置です。
Appleによって推進されており、特にiOS端末ではアプリが不要でAR Quick Lookによる表示が可能という特徴があります。
このように、多機能でさまざまな表現を盛り込むことができる反面、Apple以外ではサポートに乏しいと言うデメリットがあります。



作ったモデルをiPhoneで見れるようにできるので周りの人にスマホで気軽に作品を見せられる簡易ポートフォリオの様な使い方もできますよ!
VRM


特徴: 日本発の3Dアバター向け形式で、glTFをベースにしており、バーチャルYouTuber(VTuber)やメタバース用途で普及しています。モデル、テクスチャ、ボーン構造、アバター用の表情・リップシンク情報などを保存でき、VRChat、Vroid Hub、VTuber配信などで使われます。
アバターに特化しているため、VR/VTuberシーンで使いやすい一方、汎用的な3D用途には向かず、対応ソフトが限定的という制約があります。日本を中心にVTuber文化の広がりとともに普及してきた形式です。
3Dモデル・ボーン・マテリアル・表情などをひとまとめにできるのが特徴のデータ形式。この形式は日本発で、主にVTuber・VRChat・バーチャル空間のアバター用途で広く使われている



VRMはclusterやバーチャルキャストなどのVRSNSでよく使われています!アバターの表情や、ライセンス情報を盛り込むことができるといった、アバターとして必要な機能を揃えているのが特徴です。
各ソフト独自の形式
Mayaの.mb(Maya Binary) / .ma(Maya ASCII)


.mbはMaya独自のバイナリ形式で、ファイルサイズが小さく高速に読み書きできます。一方.maはテキスト形式で保存され、外部エディタで編集可能なほか、バージョン違いの互換性も比較的扱いやすいという特徴があります。どちらも制作途中のプロジェクト保存や、Maya内での作業継続に使われますが、Maya以外のソフトではほとんど開けないという制約があります。
Blenderの.blend


Blender独自の形式で、モデル・マテリアル・アニメーション・レンダー設定・ノード構成など、シーン情報を完全に保持できます。Blenderでの制作・編集に使われますが、他ソフトとの互換性がなく、基本的にBlender専用のファイルです。
3ds Maxの.max


Autodesk 3ds Max独自の形式で、シーン全体の情報を保持できます。3ds Max内での作業に使われますが、こちらも3ds Max以外ではほとんど開けません。





画像でもpsdなどのPhotoshopデータと書き出すときのpngというような使い分けをするのと同じです!
3Dデータ形式ごとの今よく使われているシーン
現場で最もよく利用されている形式をまとめると、FBXは映像制作・ゲーム開発・アニメーション制作で業界標準として使われており、GLB/glTFはWeb・モバイル・AR/VR分野で急速に普及しています。OBJは軽量なモデル共有や古い環境で依然として利用され、USDZはiOS/Apple環境でのAR表示に必須、VRMはVTuberやアバター分野で特化して普及している、という整理になります。
総合的には、FBXが依然として業界標準で最も多く使われている形式です。ただし、今後はGLB/glTFやUSDZ、VRMといった新しいフォーマットが用途別に拡大していく傾向があります。
形式選びと同じくらい大切なのが、書き出すモデル自体のポリゴン数の管理です。Mayaのポリゴン数管理とポートフォリオでの見せ方もあわせて確認しておくと、データの軽量化まで含めた実務知識が身につきます。


3DCGを本気で学ぶには?
独学に限界を感じたら、プロから学ぶ選択肢を
3DCGは「使える」と「仕事にできる」の差がとても大きい分野です。
現場のお作法、ポートフォリオの作り方、業界とのつながりまで含めて学べるのが
デジハリ・オンラインスクールの強みです。


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まとめ|用途に合わせた形式選び
結論
■ 5つの形式、結論はどう使い分けるべきか
ここまで主要な3Dデータ形式を見てきましたが、私の現場経験から言える結論はシンプルです。「迷ったらFBX」で問題はほぼ起きません。
実際、私が業務で書き出すデータの8割以上はFBXです。映像制作・ゲーム開発・アニメーション制作のいずれにおいても、FBXは業界標準として確固たる地位を保っています。Mayaのプロジェクトをクライアントに送るときも、FBXで送れば文句を言われることはまずないでしょう。
ただし、用途が明確に決まっているなら別の選択肢が最適になります。Webブラウザや AR/VR でモデルを表示する場合は、ファイルサイズが圧倒的に軽い GLB/glTF が必須です。最近ではThree.jsやmodel-viewerを使ったポートフォリオサイトで標準的に使われています。一方、iOSデバイス上での AR 表示には USDZ 一択。VTuberやVRChatのような
アバター用途では VRM が独自の地位を築いており、用途特化型の選択として明確な強みを持ちます。
OBJは古い形式ですが、シンプルゆえの汎用性で今でも生き残っています。アニメーションが不要な静的モデルの受け渡しや、3Dプリンタ向けデータの中間形式として、現場でも時折使われます。
総じて言えば、初心者は 「迷ったらFBX、Webなら GLB」 の2軸さえ押さえておけば、ほとんどの場面で困りません。残りの形式は「必要になったら覚える」で十分です。

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