3DCG制作では、スペックの高いPCを使用することで非常に多くのメリットがあります。高性能なPCは、レンダリング速度の向上やリアルタイムプレビューの滑らかさに直結します!また複雑なシーンの処理やマルチタスク性能も向上します。これにより、作業効率がアップし、より良い環境での作業ができるようになります!この記事では、初心者からプロまで、それぞれに必要なスペックについて私自身の経験などを踏まえて損得無しで詳しく解説します!
この記事のレベル
初心者 | (5.0) |
重要度 | (4.5) |
難しさ | (2.0) |
最初はCGソフトだけ使う感じだと思いますがやっていくと参考資料を見ながら作業をしたり、他のソフトを同時に立ち上げたまま作業したりするようになっていきます。また慣れてきたらYouTubeやNetflixなどで動画を流しながら作業したりすることもあると思うので、自分が使う予定の3DCGソフトの推奨スペックより絶対にスペックが高いPCを使うことをお勧めします!
自分は作業をするときにCGソフト+Photoshop+Aftereffect+YouTube+参考資料みたいな感じで同時に使うことが多いのです。いちいちソフトを閉じたり、開いたりするのが面倒くさいのでこんな感じになっていますが、みなさんも慣れたらこんな感じになってくると思います!
高スペックPCを使うメリット
レンダリング速度の向上:
高性能なCPUとGPUを使用することで、レンダリング時間が大幅に短縮されます。これにより、短時間で高品質なレンダリングを行えるようになります。レンダリングはとても時間がかかる工程なので、早く終わらせることができるようになるのは大きなメリットになります!※特にMayaのレンダリングは時間かかりすぎだろってくらい時間がかかるので、できるだけいいPCを使ってレンダリングをしたいですね。
リアルタイムプレビュー:
高スペックなGPUにより、リアルタイムでのプレビューがスムーズになり、作業効率が向上します。これにより、修正作業や微調整がしやすくなります。
複雑なシーンの処理:
大容量のRAMと強力なプロセッサを活用することで、複雑なシーンや多くのポリゴンを扱う際のパフォーマンスが向上します。これにより、大規模プロジェクトでも快適に作業できます。
特にUnrealEngineなどの大きいプロジェクトやAfeterEffectで作業をするときなどにその効果を実感できると思います!
マルチタスクの強化:
高性能なPCは、複数のアプリケーションを同時に起動してもスムーズに動作します。例えば、モデリングソフトとレンダリングソフト、Aftereffectとモデリングソフト、テクスチャ作成ソフトとモデリングソフトなどを同時に使用することはよくあると思います。そのような時のパフォーマンスを向上させることができます!
安定性の向上:
高品質なコンポーネントを使用することで、システムの安定性が向上し、クラッシュやフリーズのリスクが減少します。これにより、不意に起きる事故で作業の中断を防ぐことができます。
ただしどんなに高性能なPCでもクラッシュやフリーズのリスクが完全になくなることはないです。なのでどんなに高性能なPCを使っていても制作中にクラッシュやフリーズしそうなことは出来るだけ避けるようにしましょう!
各パーツごとの詳細解説
CPU (中央処理装置)
- 役割: コンピュータの「頭脳」として、命令を処理し、計算を行います。モデリングやシミュレーションの速度に影響します。
Intel Core i5やAMD Ryzen 5はコストパフォーマンスが良く、最近のモデルは性能も上がっています。ゲームをメインでする高性能PCとして使うなら全然ありだと思いますが、やはり3DCGの作業をするには少し足りかなと感じます。
Intel Core i7やAMD Ryzen 7は、スレッド数が多く、マルチタスクに適しています。Intel Core i9やAMD Ryzen 9は、ハイエンドな性能を提供し、大規模プロジェクトに対応可能です。正直最近の世代のIntel Core i7、AMD Ryzen 7は使っていて全然不満はないです。Intel Core i9、AMD Ryzen 9とどっちがいいかと言われたら普段の作業ではそこまで変わらないです。もちろん最近のCore i9、Ryzen 9の性能は半端ないですが、、
なのでCPUを選ぶときはCore i7、Ryzen 7以上の最新世代かその1つ前の世代のモデルを買うことをおすすめします!下にドスパラさんのIntel、Ryzenそれぞれの各CPU比較を比較してるサイトのリンクを張っているのでこちらで確認してみてください!
またMayaをメインで使う人はレンダリングがCPUで行うことになると思うので後述するGPU(グラフィックボード)よりこっちにお金をかけたほうがいいです。一応GPU(グラフィックボード)でレンダリングもできるのですがかなり質が落ちてしまうので基本的にMayaはCPUレンダリングを行うと思っておいてください。
私はIntel信者なのでIntelのCPUをおすすめしたいのですが、最近はRyzenのCPUもかなり性能が上がっています。また最新のIntel13、14世代のCPUは壊れやすくなる致命的な問題などが出てきていてIntelが最強だからおすすめとは言えなくなってしまっています、、ですが私はIntelのCPUをずっと使い続けた人なので今回はそれらの問題も考慮しながらIntelのCPUを選ぶ前提で解説していきます。
私は現在メインPCにIntel14世代のi9、サブPCにIntelの13世代のi7を使っています!一応現状不具合などは起こらずに使えてはいます!ですがCPU1つ1つに個体差があり、それによって自分はあたり個体を引いているっぽいのですが、壊れやすい個体のCPUもあるらしいです。
一応どんな問題が起きているのかわかりやすく解説している人の動画を載せておくので気になる人はこちらの動画を見てみてください。この方はIntel製品に結構辛口な評価をすることが多い方なので、Intel信者の私とは違う視点からのIntel製品について知れるのでその様な視点からの意見を取り入れたい人は見てみてください。またこれらの問題の対策方法もこの動画内で解説してくれているので13世代以降のCPUを買うことを検討している方は参考にしてみてください。
GPU (グラフィックス処理装置)
- 役割: レンダリングやリアルタイムプレビューを高速化し、グラフィックスの品質を向上させます。
もちろんCPUの性能は大切ですがBlenderをメインで使う人はCPUよりGPUにお金をかけたほうがいいかもしれません。BlenderのレンダリングはMayaと違ってGPUを使って行うのでCPUとGPUどっちにお金をかけるか迷ったときはGPUを優先的に考えるくらいの感じで選んでもらえたらいいと思います。
RAM (メモリ)
- 役割: 作業中のデータを一時的に保存し、処理速度を向上させます。特に大規模なプロジェクトや複数アプリケーションの同時使用する際などで重要になります。
最近ではDDR5という新しい企画のメモリが出てきています。今まではDDR4だったのでこれの進化バージョンのメモリだと思っていただければいいです。現在まだ値段の割にDDR5メモリはDDR4メモリに比べてめちゃくちゃ性能がいいわけではないのですが、これからどんどん性能が上がっていくと思うので今から新しくPCを買うならDDR5メモリを積んだPCを買うようにしましょう!DDR5メモリとDDR4メモリは規格が違うのでDDR4が使えるPCではDDR5が使えないですし、その逆もしかりです。もし使えるようにするならマザーボードというでかい基盤をDDR5メモリ対応のものに交換しないといけませんが、今回は3DCGをするのに必要なPCスペックについての記事なのでこの部分の説明は省略します。
またドスパラなどで既製品を買うならあまり関係ないかもしれませんがメモリは基本2枚差しがおすすめです!例えば32GBにしたい場合は16GBのメモリを2枚差す、64GBにしたい場合は32GBのメモリを2枚差すという感じです。こうすることで1枚差しの時より性能が上がります。ですが基本的には既製品はこのようなメモリ構成になっているのであまり気にしなくていいです。
ちなみに私はブラウザはGoogleChromeを使っているのですがこいつは意外とメモリを使うのでもし作業をしながらGoogleChromeを使う人は少し多めのメモリにするといいかもしれません
ストレージ(SSD/HDD)
- 役割: プロジェクトファイルやアプリケーションデータを保存します。SSDはアクセス速度が速く、HDDは大容量でコスト効率が良いです。
ストレージは基本的にM.2のSSDのものを選びましょう!今の時代、内臓ストレージがHDDのみのものは使い物にならないと思ってもらっていいです。ドスパラなどで既製品を買う場合は基本的に内臓ストレージはM.2のSSDになっていると思いますが家電量販店やメルカリなどの怪しいPCを買う場合は違うことがあるので気を付けて買いましょう。ちなみにメインストレージがSSDでサブのストレージにHDDがついているPCとかもあります。これに関してはメインストレージが自分の必要としている容量に満たしていれば選んで大丈夫です。あくまでメインストレージがHDDのPCがやばいだけなのでそこだけ気を付けて選ぶようにしてください!
PCおすすめスペック
初心者向けスペック
用途: 基本的なモデリングやテクスチャ作成、アニメーション、レンダリング
- CPU:12世代以降の Intel Core i7かi9
- GPU: NVIDIA GeForce RTX3080以上かRTX4070以上
- RAM(メモリ): DDR5 32GB
- ストレージ: M.2 SSD 1TB+2TB HDD
CPU
12世代のIntel CPUから先ほどメモリのところで紹介したDDR5のメモリが使えるようになっています。CPUやGPUなどは気軽には交換しにくいですが、メモリに関しては気軽に交換したり増設したりできます。なのでその時にいいメモリを使えるようにDDR5メモリ対応のCPUを選ぶのがいいと思います。また11世代以前と12.13.14世代のCPUではソケット(簡単に言うと形状)が違うため、今後CPUをアップグレードしたいとなってもソケットが違うCPUに交換するためにはマザーボードという基板から交換しないといけなくなります。なので今後のことも考えたら12世代以上のCPUにするといいと思います。
GPU(グラボ)
GPUはNVIDIA GeForce RTXシリーズがおすすめです。その中でも3000番台と最新の4000番台と呼ばれているものがあります。3000番台の中だとRTX 3080より上のもの、例えばRTX 3080TiやRTX 3090などがあります。また4000番台だとRTX4070以上のもの、例えばRTX 4070TiやRTX 4070TiSUPER、RTX 4090などがあります。一応RTX 3080やRTX 4070は値段もそこそこ安くてかなりいい性能が出せるのでお勧めしています。ですがGPUはお金をかけれるならできるだけかけたい部分ではあります。また4000番台は最新の奴なのでできたら4000番台のものを買うのがいいと思います。
ちなみに私はこの前までRTX 3080Ti(3080より少しだけいいやつ)を使っていたのですが最近新しくPCを組んだ時に4080SUPERに変えました!
現在はRTX 4090が一番性能がいいのですが、今この時代ではここまでの性能が必要になることはほとんどないと思います。また私が使っているRTX 4080SURPERも性能を持て余している状態です。しかも値段がRTX 4090の次に性能がいいとされているRTX 4080SUPERと比べて2倍くらいの値段がすることがほとんどです。なので現状RTX 4090も必要ないと思います!
RAM(メモリ)
メモリはさすがに16GBだともの足りないですが、32GBあればとりあえず困ることがほとんどないです。またメモリは比較的簡単に増設やアップグレードが可能なので、もしメモリが足りなくなっても何とかなります。また先ほど説明しましたが今から新しく買う場合はDDR5のメモリを買うようにしましょう。メモリには同じGB数でも性能が違うものがあり、DDR5-4800やDDR5-6000とか数字が大きい方が性能がいいです。ですがそこまで大きい数字のものを買ってもかなりPCの性能が高くないと本領が発揮できないので買うのは4800とか、大きくても6000くらいのもので大丈夫だと思います!
ストレージ
速度と容量を両立させるコスパに優れたストレージの使い方は、使用頻度が高く、応答性のよさが重要となるOSやアプリはSSDに、使用頻度の低いデータや制作済みのデータなんかはGB単価に優れるHDDに保存するようにしましょう!正直SSDは500GBでもいいとは思うのですがデータ整理とかしてないと500GBギリギリになることが多いので自分は1TBあった方がいいと思います。PCでゲームもしたいと思っている人は少し多めに容量を確保しておいてもいいと思います!
ちなみに上の画像は自分が前使っていたPCのものです。自分はデータ整理はあまり好きではない方でメインストレージ使用量が500GBを少し超えていました。多分Unreal EngineとAdobe製品が容量を多く取っているのだと思います。これからUnreal Engineを使う予定のある人も少し多めに容量を確保しておきましょう!
プロ向けスペック(アップデート時のスペック目安)
用途: 高解像度のレンダリング、大規模プロジェクト
- CPU: 13世代以降のIntel Core i7かi9
- GPU: NVIDIA GeForce RTX 4080 以上
- RAM: 64GB 以上
- ストレージ: 1TB SSD + 1TB HDD(ちなみに私は2TB M.2 SSD×2です)
基本的に目指すべき所は全部1番いい性能にすることです。ですがそこまで積んでもオーバースペックで性能を持て余すことになるので、ここでは性能を持て余しすぎないくらいのスペックがこれくらいだと思います!
CPU
とりあえずここは最強でいいと思います。と言いたいところなんですが、ここがかなり難しいところです。まずIntel13世代と14世代はほとんど性能差がないのでわざわざ高い14世代を買う必要はないと思います。性能だけを求めるならIntel12世代よりIntel13世代のi7かi9のほうが性能はいいです。そして故障の不安を少しでも減らしたい方はi7、ある程度PCの知識があり、この問題の対策をYouTubeの解説動画などを見ながらでもいいので、バイオスでの設定などでできる人はi9でもいいと思います。一応今回の故障しやすい問題が大きな騒ぎになりIntel公式から問題の原因や対策方法などが出たので、それについてのやり方の動画がたくさん出てきたので対策方法を試す前提で今回これをおすすめします。ですがそれでも不安という方は今は12世代のCPUを使っておき、新しいCPUが出るまで待つのもいいかと思います。
ただ私は14世代のCPUを発売してすぐに買ってから使っています。理由は買った当時は壊れやすい問題のことを知らなかったのと、最新製品が出たばかりで気になって買ってしまったからですね。
GPU(グラボ)
先ほど説明しましたがRTX 4090はオーバースペック過ぎますし、RTX 4080SUPERもかなり性能を持て余していると思います。なのでRTX 4080なら余裕もあって値段もこれらに比べたら安いので今はここを目指してみるのがいいと思います!
RAM(メモリ)
DDR5メモリを使うと現在基本的に限界が64GBになっています。DDR5メモリは4枚刺しをすると動作クロックが下がってしまうので、32GB×2枚が現実的だと思います。一応現在DDR4を使っている人は128GB積むこともできますが、AfterEffectみたいなメモリをあるだけ使うソフトを使う場合しかそこまでメモリを使うことはないです。
ストレージ
ストレージは正直適当です。メインストレージは1TBあれば正直もの足りると思いますが、データ整理とか面倒くさい人とかは1TB超えたりすることもあるかもしれないのでそれの対策で2TB積むみたいなイメージですが、そこまで必要になることはほとんどないでしょう。増やすならサブストレージになるのですがそこも外付けのSSDに保存したり、外付けの大容量HDDに保存したりするようになると思うので、本当に好みになります。多分PCを使っていたらストレージめっちゃ余ってるという人と全然足りないという人に分かれてくると思うので足りなくなったら増やす感じでいいと思います!
まとめ
自分の制作スタイルやプロジェクトの規模に応じて、PCスペックを選びましょう。高性能なPCは、制作の効率を大きく向上させるためのクリエーターの必需品です!たくさん使うものなのでケチらずに少しでもいいものを選ぶようにしましょう。
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