【現役CGクリエーターが解説】FBX・OBJ・glTFの違いと使い分け|実務で詰まる書き出し設定の落とし穴を解説【2026】

私自身、普段は3DCG制作でFBX形式を使ってデータのやり取りをすることが多いのですが、最近ではGLB形式というフォーマットを耳にするようになりました。さらに、昔からよく使われているOBJ形式や、各ソフト独自の形式(Mayaの.mbやBlenderの.blendなど)も存在します。3DCG初心者の方にとっては「どの形式を使えばいいの?」と迷うことが多いと思います。そこで今回は、代表的な3Dデータ形式の特徴や用途、そしてソフトごとの形式との違いをまとめました。

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3DCGのソフトでは様々なデータ形式で書き出しを行えます。そして様々あるデータの中でもCAD用の3Dデータとそれ以外の3Dモデリングデータと大きく2種類に分けられるのですが今回の記事ではCAD以外の3Dデータについて詳しくまとめています。

CAD用のデータについて知っていて損はないのですが、今回それもまとめると情報量が多くなり混乱することを避けるため、まずは3DCGソフトを使う上でよく使うものをこの記事と実際に使ってみて覚えてみる所から始めましょう!

目次

3Dデータのファイル形式が異なる理由

画像での.jpegや.pngの形式や動画での.mp4や.aviの違いのように、3Dファイルにも保存する際に複数の形式が存在します。また、形式の違いにより保持できるデータ内容や依存する3Dソフトウェアが異なります。

特にファイル形式によって保持できる内容が大きく異なってくる点を、初心者は抑えておきましょう!

代表的な3Dデータ形式

今回はよく使われるデータ形式を特徴や用途、メリットデメリットなどでわかりやすく簡潔にまとめました!基本的な要点はまとめてあるので自分で重要だと思う点だけでも覚えていってください!

FBX(Filmbox)

特徴: Autodeskが開発したフォーマット。現在、3DCG業界で最も広く使われている形式のひとつです。

保存できる情報: モデル形状、UV、マテリアル、テクスチャ、アニメーション、スケルトン(リギング)、カメラ、ライトなど非常に多くの情報を保持可能。

用途: Maya、3dsMax、Blender、Cinema4D、Unity、Unreal Engineなどほぼすべての主要ソフトで対応。

メリット: アニメーションを含む複雑なシーンデータを他ソフト間で正確にやり取りできる。

デメリット: バージョン差異による互換性問題がまれに起こる。ファイルサイズも比較的大きめ。

現状の立ち位置: ゲーム・映像制作・VR/ARの現場で標準的に使用されている形式

モデルやアニメーションなどの情報をもつfbx形式と、必要に応じてテクスチャファイルを使用します。
OBJとは違いリグやモーションのデータを格納することができ、多くの製品・サービスで対応されています。

最初はとりあえず困ったらFBXで書き出し!というくらいに汎用性が高いデータ形式です。ただシンプルな構造のものや、特定の条件で使用するなどの目的がある場合は後述するデータ形式を選んでみましょう!

OBJ(Wavefront Object)

特徴: 1980年代に開発された古典的な形式で、今でも幅広く利用されています。

保存できる情報: メッシュ形状、UV座標、マテリアル情報(別ファイルMTLと併用)。

用途: モデル単体の受け渡し、DCCツール間のデータ交換、3Dプリントの前段階データなど。

メリット: 構造がシンプルで読み込みやすく、ほぼすべての3DCGソフトに対応。

デメリット: アニメーション、ライト、カメラ、複雑なマテリアルは保持できない。最新のPBRマテリアルには非対応。

現状の立ち位置: 「軽量な交換用フォーマット」として依然便利ですが、表現力はFBXやGLBに劣ります。

頂点座標などのモデルの形状を記したファイルなります。また表面状態の情報をもつmtlファイルを含めることができます。他の形式に比べシンプルで軽いのが特徴で、多くの製品・サービスで対応されています。

基本的にモデリングしたオブジェクトのみを書き出したい場合につかうデータ形式です!テクスチャやアニメーションなど一緒に書き出すことは出来ないのでその点は要注意です

GLB

特徴: Khronos Groupが策定した新世代の形式。「3DのJPEG」と呼ばれるほど軽量で効率的です。

保存できる情報: モデル、マテリアル(PBR対応)、テクスチャ、アニメーション、スキン、カメラなど。

用途: WebGL、Three.js、Babylon.js、AR/VRアプリケーション、モバイル向けコンテンツなどリアルタイム表示用途で急速に普及中。

メリット: ファイルサイズが小さい、読み込みが高速、Webブラウザやアプリで直接利用可能。PBRマテリアルに標準対応。

デメリット: 従来のDCCツールで扱うには変換が必要な場合もある。シーン全体の複雑な情報管理にはやや不向き。

現状の立ち位置: 特にWebやAR/VR、モバイル分野で急速に利用が広がっている形式。

後述するglTFをバイナリ形式で表現した形式です。glTFを出力する際、最低でもgltf形式とbin形式の2種類が出力されますが、glbでは全てまとめて1つのファイルとして出力されるというメリットがあります。

最近では3Dの生成AIなどはこの形式で書き出されるものが多いらしいです

glTF(GL Transmission Format)

特徴: GLBと同じくKhronos Groupが策定。GLBがバイナリ形式であるのに対し、glTFはテキストベースで外部ファイルを参照する形式。

保存できる情報: モデル、PBRマテリアル、テクスチャ、アニメーション。

用途: WebGLや3Dビューアでの表示。GLBと同じ用途だが、テキスト編集が可能。

メリット: 人間が読めるJSON形式でデバッグや修正が容易。

デメリット: GLBに比べてファイルが複数に分かれ扱いにくい場合がある。

現状の立ち位置: GLBと並び、Web標準の3D形式として広がっている。

glTFはWebブラウザ上で動作することを目的としたデータ形式です。イメージとしては、Webブラウザ上でよく使用される画像形式であるjpegの3D版といったところで、さまざまなWebサービスで対応しています。

STL(Stereolithography)

特徴: 主に3Dプリントで使用。

保存できる情報: メッシュ形状のみ。

用途: 3Dプリントや製造業。

メリット: シンプルで3Dプリンター互換性が高い。

デメリット: テクスチャやアニメーションは一切保存できない。

データの編集は難しいが、現在3Dプリントをする上での標準形式となっており、多くのCADソフトウェアで読み込みや書き出しが可能

今回CADに関するデータは省くといったのですが、このデータは3Dプリンタを使うときに使うデータ形式で今後3Dプリンタで自分の作ったモデルを出したいといった場合もあるかもしれないので今回この記事に入れました!

USDZ(Universal Scene Description Zip)

特徴: Appleが推進している拡張現実(AR)向けの形式。Pixarが開発したUSDフォーマットをベースにZip圧縮したもの。

保存できる情報: モデル、マテリアル、アニメーション、物理情報。

用途: iOSやmacOSのAR Quick Lookで直接表示可能。ARコンテンツに最適。

メリット: iPhoneやiPad上で追加アプリなしで閲覧できる。

デメリット: Appleエコシステム以外ではやや扱いにくい。

現状の立ち位置: Apple製デバイスを中心に、AR体験を簡単に提供する標準的形式。

Appleによって推進されており、特にiOS端末ではアプリが不要でAR Quick Lookによる表示が可能という特徴があります。

このように、多機能でさまざまな表現を盛り込むことができる反面、Apple以外ではサポートに乏しいと言うデメリットがあります。

作ったモデルをiPhoneで見れるようにできるので周りの人にスマホで気軽に作品を見せられる簡易ポートフォリオの様な使い方もできますよ!

VRM

特徴: 日本発の3Dアバター向け形式。glTFをベースにしており、バーチャルYouTuber(VTuber)やメタバース用途で普及。

保存できる情報: モデル、テクスチャ、ボーン構造、アバター用の表情・リップシンク情報など。

用途: VRChat、Vroid Hub、VTuber配信など。

メリット: アバターに特化しているため、VR/VTuberシーンで使いやすい。

デメリット: 汎用的な3D用途には向かず、対応ソフトが限定的。

現状の立ち位置: 日本を中心にVTuber文化の広がりとともに普及。

3Dモデル・ボーン・マテリアル・表情などをひとまとめにできるのが特徴のデータ形式。この形式は日本発で、主にVTuber・VRChat・バーチャル空間のアバター用途で広く使われている

VRMはclusterやバーチャルキャストなどのVRSNSでよく使われています!アバターの表情や、ライセンス情報を盛り込むことができるといった、アバターとして必要な機能を揃えているのが特徴です。

各ソフト独自の形式

3DCGでは書き出し用のデータ形式とは別に、各ソフトごとのデータ保存用の独自形式のというものもあります。3DCG初心者の人はデータの受け渡しの時などに、この独自データを送ってしまうということが多々あります。なので書き出し用のデータと保存用の独自データの違いについてここで覚えていきましょう!

Mayaの.mb(Maya Binary) / .ma(Maya ASCII)

.mb: Maya独自のバイナリ形式。ファイルサイズが小さく、高速に読み書きできる。

.ma: テキスト形式で保存され、外部エディタで編集可能。バージョン違いの互換性も比較的扱いやすい。

用途: 制作途中のプロジェクト保存や、Maya内での作業継続に使用。

デメリット: Maya以外のソフトではほとんど開けない。

Blenderの.blend

特徴: Blender独自の形式。シーン情報を完全に保持できる。

保存できる情報: モデル、マテリアル、アニメーション、レンダー設定、ノード構成などすべて。

用途: Blenderでの制作・編集用。

デメリット: 他ソフトとの互換性がなく、基本的にBlender専用。

3ds Maxの.max

特徴: Autodesk 3ds Max独自の形式。

保存できる情報: シーン全体の情報を保持。

用途: 3ds Max内での作業。

デメリット: 3ds Max以外ではほとんど開けない。


↑はMayaのプロジェクトファイルです

完成したものを渡すときは書き出しデータを、プロジェクトデータごと渡すときは各ソフトの独自データを含んだプロジェクトファイルごと渡すようにしましょう

画像でもpsdなどのPhotoshopデータと書き出すときのpngというような使い分けをするのと同じです!

3Dデータ形式ごとの今よく使われているシーン

現場で最もよく利用されている形式は以下のとおりです:

  • FBX → 映像制作、ゲーム開発、アニメーション制作で業界標準。
  • GLB/glTF → Web、モバイル、AR/VR分野で急速に普及中。
  • OBJ → 軽量なモデル共有や古い環境で依然として利用される。
  • USDZ → iOS/Apple環境でのAR表示に必須。
  • VRM → VTuberやアバター分野で特化して普及中。

総合的には、FBXが依然として業界標準で最も多く使われている形式です。ただし、今後はGLB/glTFやUSDZ、VRMといった新しいフォーマットが用途別に拡大していく傾向があります。

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まとめ|用途に合わせた形式選び

結論

■ 5つの形式、結論はどう使い分けるべきか

ここまで主要な3Dデータ形式を見てきましたが、私の現場経験から言える結論はシンプルです。「迷ったらFBX」で問題はほぼ起きません。

実際、私が業務で書き出すデータの8割以上はFBXです。映像制作・ゲーム開発・アニメーション制作のいずれにおいても、FBXは業界標準として確固たる地位を保っています。Mayaのプロジェクトをクライアントに送るときも、FBXで送れば文句を言われることはまずないでしょう。

ただし、用途が明確に決まっているなら別の選択肢が最適になります。Webブラウザや AR/VR でモデルを表示する場合は、ファイルサイズが圧倒的に軽い GLB/glTF が必須です。最近ではThree.jsやmodel-viewerを使ったポートフォリオサイトで標準的に使われています。一方、iOSデバイス上での AR 表示には USDZ 一択。VTuberやVRChatのような
アバター用途では VRM が独自の地位を築いており、用途特化型の選択として明確な強みを持ちます。

OBJは古い形式ですが、シンプルゆえの汎用性で今でも生き残っています。アニメーションが不要な静的モデルの受け渡しや、3Dプリンタ向けデータの中間形式として、現場でも時折使われます。

総じて言えば、初心者は 「迷ったらFBX、Webなら GLB」 の2軸さえ押さえておけば、ほとんどの場面で困りません。残りの形式は「必要になったら覚える」で十分です。

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