「3DCGのスキルを活かして独立したいけど、実際どのくらい稼げるのか分からない」「案件はどこで見つければいいのか」——このあたりで足踏みしている人は多いと思います。私自身、学生時代に急遽助っ人で入った案件をきっかけに個人で仕事を受けるようになり、そこから動画制作とLive2Dモデリングを軸にフリーランスとしての実績を積んできました。この記事では、その経験も交えながら、数字の裏側にある「なぜその単価なのか」までできるだけ具体的に書いていきます。
フリーランス3DCGモデラーの単価相場は?会社員との年収比較

単価の話をする前に、まず「単価制」にもいくつか種類があることを知っておきましょう!同じ「フリーランス」でも働き方によって数字の意味がまったく違うから、そこを混同すると相場感を見誤ってしまいます。
プロジェクト単価制 vs 月額(常駐)単価制の違い
フリーランスの3DCGモデラーが受け取る報酬は、大きく「プロジェクト単価制(成果物ごとの請負)」と「月額単価制(常駐やフルコミットに近い業務委託)」の2種類に分かれます。プロジェクト単価制では、キャラクターモデリング1体あたり10万円〜50万円、背景制作で5万円〜30万円程度が目安とされ、時給換算に近い形で契約する場合は3,000円〜8,000円のレンジが多いようです。一方、フリーランスエージェント経由で週5日稼働に近い形で参画する月額単価制の案件では、3Dデザイナー案件全体の平均単価は70.3万円、最高単価100万円、最低単価27万円というデータもあります。Blenderのスキルに絞った案件だけを見ても、月額単価の相場は64万円程度という調査があり、いずれもゲーム業界を中心とした常駐案件が母数になっている点に注意が必要です。
私自身が最初にやっていたのは、この2つのどちらとも少し違う「クラウドソーシング型の単価制」でした。この違いは案件の探し方にも直結するので、次の章で詳しく触れます。
スキル・経験年数別の単価レンジ
単価は当然ながらスキルレベルと経験年数によって大きく変わります。実務経験が浅いうちは前述のプロジェクト単価制の下限に近い金額からスタートし、実績とポートフォリオが揃ってくるにつれて月額単価制の案件にステップアップしていく、というのが典型的な流れです。年収ベースで見ると、フリーランス3Dモデラーの平均年収は約740万円というデータがあり、これは会社員CGデザイナーの平均年収480万円や、厚生労働省の調査によるCGデザイナー全体の年収相場509万円を上回る水準です。ただし最低ラインは360万円程度という調査もあり、案件が安定しない時期があることも含めて考えておく必要があります。
| 働き方 | 単価の目安 | 主な案件源 |
|---|---|---|
| プロジェクト単価制(請負) | キャラ10〜50万円/体、背景5〜30万円 | クラウドソーシング・直接契約 |
| 月額(常駐型)単価制 | 月額50〜80万円が中心 | フリーランスエージェント |
| 時給換算型 | 3,000〜8,000円/時 | 知人・直接契約 |
ここで大事なのは、単価は「作業時間の長さ」よりも「どれだけ任せて安心できるか」で決まりやすいという点です。同じキャラクターモデリングでも、指示された通りに作るだけの案件と、ラフな要望から仕様を詰めて完成まで持っていける案件とでは、後者の方が単価が伸びやすい傾向があります。私が最初の案件でキャラクターとNPCのモーションを2日間で仕上げられたのも、単に作業が速かったというより、限られた情報の中で「とりあえず動くもの」というゴールを自分で判断して形にできたことが評価されたのだと感じています。単価を上げていきたい場合は、作業スピードを追う以上に、この「任せてもらえる範囲」を広げることを意識するのが近道です。


現役CGデザイナーが語る、フリーランス案件のリアル



ここからは実体験の話です。数字だけ見ても実感が湧かないと思うので、私が最初にどうやって仕事を受けたのかについてです!
最初の案件はどう取ったか
私の最初のフリーランス案件は、学生時代に学校の授業の一環として企業と組んだプロジェクトがきっかけでした。相手は3DCGを専門とする企業ではなく、メタバース空間の中に商品を販売するための場所を作りたいという依頼で、求められていたのは高いクオリティではなく「とりあえず動くもの」でした。私はもともとそのプロジェクトのメンバーではなかったのですが、納期直前になっても作業が終わらない状況になり、急遽助っ人として参加することになりました。そこでキャラクターとNPCのモーションを2日間で全て仕上げたところ、その対応を見た企業から「このまま個人で別の仕事も頼みたい」と声をかけてもらい、そのままフリーランスとしての最初の継続案件につながりました。ちなみにその案件はキャラクター10体分のモーション制作で、単価は10万円ほどでした。
この経験からわかるのは、フリーランスとしての最初の仕事は、必ずしも「案件サイトに登録して探す」形で始まるとは限らないということです。学校のプロジェクトや知人経由の手伝いなど、報酬を目的としない場での動きが、結果的に最初の実績と信頼につながるケースは珍しくありません。特に納期が厳しい局面で確実に仕上げられることを示せると、それ自体が営業活動以上の説得力を持ちます。
単価交渉で意識していること
私が個人で継続的に受けているのは、動画制作とLive2Dモデリングの2つです。どちらも最初はココナラのようなクラウドソーシングサービスで、1体・1本あたりの単価を決める「頂点単価」に近い形で受注し、まずは実績を作ることを優先しました。最初から高単価を狙うのではなく、依頼数と評価が積み上がってから少しずつ単価を上げていくというのが、私が実際にたどってきたステップです。値上げのタイミングは、依頼が途切れず入るようになってきたときや、同じ内容の作業でも明らかにこなせるスピードが上がってきたと感じたときにしています。いきなり大きく上げるのではなく、小刻みに調整していく方が、既存のクライアントとの関係を崩さずに単価を上げやすいと感じています。


Live2Dのモデリング販売については、ココナラとNizimaという2つの主要な販路があり、それぞれ手数料や集客のしやすさに違いがあります。この比較は、ココナラ vs Nizima:Live2Dモデル販売するならどっち?で詳しく解説しているので、Live2D単体で収益化を考えている方はあわせて読んでみてください。
Live2Dの販路選びで悩んでいる方は、ココナラ vs Nizima:Live2Dモデル販売するならどっち?で詳しく解説しています。


案件獲得の主な方法とそれぞれの特徴



案件の探し方は一つじゃないぞ!自分の実績量や生活スタイルに合わせて、いくつかを組み合わせて使うのがコツです!


フリーランスエージェント(メリットと手数料の実態)
ある程度の実務経験を積んだ後に単価を上げていきたいなら、フリーランスエージェントの活用が現実的な選択肢になります。エージェントは企業の非公開案件や、個人では請けにくい大手企業の業務委託案件を紹介してくれるうえ、契約や交渉の窓口になってくれるため金銭トラブルのリスクを抑えられるのが大きな利点です。前述の月額単価70万円前後の案件は、こうしたエージェント経由のものが中心になっています。ただし当然マージン(手数料)が発生するため、直接契約に比べると手取りは目減りします。実務経験が浅いうちは審査に通りにくいことも多く、まずは実績作りが先になる点は理解しておきましょう。
クラウドソーシング(実績作りの入口として)
私自身が最初の実績作りに使ったのがこのルートです。ココナラのようなクラウドソーシングサービスは、実務経験がまだ少ない段階でも案件を受けやすく、評価やレビューという形で実績を可視化できるのが強みです。単価は前述の相場より低めからスタートすることが多いですが、依頼をこなすごとに評価が積み上がり、それが次の依頼や単価交渉の材料になります。「まず実績、そこから単価」という順番を守ることが、遠回りに見えて結果的に一番早いというのが私の実感です。
SNS発信・ポートフォリオサイト・人脈・直接営業
制作過程や完成作品をSNSで発信し続けることも、地道ですが有効な導線になります。作品を見た企業や個人から直接連絡が来るケースは実際にあり、営業コストをかけずに案件につながる点が魅力です。あわせて、実績をまとめたポートフォリオサイトを用意しておくと、SNS経由で興味を持った相手がそのまま依頼に進みやすくなります。ポートフォリオの作り方については、3DCGポートフォリオの作り方採用担当者視点で詳しく解説しているので、まだ整えていない方はそちらも参考にしてください。私の最初の案件のように、学校や以前の職場つながりからの紹介で仕事が始まることも多く、人脈は軽視できない獲得ルートです。
発信を続ける上でのコツは、完成品だけでなく制作過程を見せることです。ワイヤーフレームの状態や、トラブルをどう解決したかといった過程の投稿は、完成品だけを並べるよりも「この人に頼めば安心して任せられそうだ」という信頼につながりやすい傾向があります。私自身、Live2Dの制作工程やモーション付けの試行錯誤を発信することで、そこから直接問い合わせにつながったことが何度もあります。案件化を急ぐよりも、継続的に発信を積み重ねること自体が長期的な資産になるという意識で取り組むのがおすすめです。
案件獲得の土台となるポートフォリオの作り方は、3DCGポートフォリオの作り方採用担当者視点で詳しく解説しています。


フリーランスになる前に知っておきたいリスクと準備



ここは地味だけど一番大事なところなのだ。稼げる金額だけ見て飛び込むと、あとで想定外の出費に驚くことになります!
会社員であれば会社が負担してくれていた各種保険や、3DCGソフトのライセンス費用は、フリーランスになると全て自己負担になります。MayaやBlenderなど複数のソフトを使う場合、年間のライセンス費用だけで数十万円規模になることもあり、これは単価を考えるうえで見落とされがちなコストです。また確定申告や請求書発行といった事務作業も自分で行う必要があり、制作以外の時間がある程度取られることも計算に入れておく必要があります。案件が途切れる時期があることを見越して、最低限の生活防衛資金を確保してから独立に踏み切ることをおすすめします。私自身も、個人の仕事だけで完全に生活を回すというより、会社員としての本業と両立させながら実績と単価を積み上げてきた期間が長く、いきなり全てを個人受注に切り替える必要はないと考えています。
税務面についても最低限の知識は必要です。個人で一定額以上の所得を得るようになった場合は確定申告の義務が発生するため、案件を受け始めた時点から売上と経費を記録しておく習慣をつけておくと、後から慌てずに済みます。会計ソフトを使えば大きな負担にはなりませんが、後回しにしていると年度末にまとめて数か月分の経理作業が発生し、制作の時間を圧迫してしまいます。また、案件が途切れる時期は誰にでも訪れるものです。私の場合は動画制作とLive2Dという性質の異なる2つの仕事を並行して受けていることが、片方の依頼が減ってももう片方でカバーできる、いわば収入の分散になっています。ひとつのジャンルに依存しすぎない受注の仕方も、フリーランスを長く続けるうえでの現実的なリスク対策です。


現役CGデザイナーが考える、フリーランスに向いている人・向いていない人



最後に、これまでの経験から感じている「向き不向き」の話をしていきます。
私が案件をこなしていく中で感じているのは、フリーランスに向いているのは技術力そのものよりも「納期に対する誠実さ」と「小さな依頼でも丁寧に応える姿勢」を持てる人だということです。最初の案件で私が信頼を得られたのも、クオリティが飛び抜けていたからではなく、厳しい納期の中で確実に仕上げたことがきっかけでした。逆に、収入が不安定な時期を精神的に受け止めきれない人や、事務作業や交渉ごとを極端に避けたい人にとっては、会社員として経験を積みながら副業的に関わる形の方が長く続けやすいと思います。3DCGクリエーター転職キャリアアップ戦略でも触れていますが、フリーランスと転職は対立する選択肢ではなく、状況に応じて行き来できるものだと捉えておくと気持ちが楽になります。
キャリア全体の選択肢を広げたい方は、3DCGクリエーター転職キャリアアップ戦略もあわせてご覧ください。単価や年収の全体像を確認したい方は、3DCGクリエイター年収職種別経験別も参考になります。




また、フリーランスとして請ける仕事の幅を広げるには、モデリング以外の周辺スキルも武器になります。私が動画制作とLive2Dの両方を扱っているように、複数の得意分野を持っておくと案件が途切れにくくなります。基礎スキルの伸ばし方はキャラクターモデラー独学スキル6つで解説しているので、こちらも参考にしてください。
案件の幅を広げる基礎スキルについては、キャラクターモデラー独学スキル6つで詳しく解説しています。


独学に限界を感じたら、プロから学ぶ選択肢を
3DCGは「使える」と「仕事にできる」の差がとても大きい分野です。
現場のお作法、ポートフォリオの作り方、業界とのつながりまで含めて学べるのが
デジハリ・オンラインスクールの強みです。


資料請求・無料説明会あり|入会前に詳細確認できます
まとめ
フリーランス3DCGモデラーの単価は、プロジェクト単価制なら10万円台から、エージェント経由の常駐案件なら月70万円前後まで幅があり、働き方によって数字の意味が変わることをまず押さえておく必要があります。最初から高単価を狙うのではなく、クラウドソーシングや身近な人脈から小さな実績を積み、評価とともに単価を上げていくのが現実的なルートです。私自身、学校のプロジェクトでの助っ人がきっかけで最初の案件を得て、そこからココナラでの実績作りを経て今の単価に至っています。ソフトのライセンス費用や税務処理といった見落としがちなコストも含めて、無理のないペースで独立を検討してみてください。


コメント